契約をするときの心がまえ
 不動産の売買では、売主と買主が対等の立場で契約を締結します。したがって、いったん、契約書を作成すると、それ以降その取引は契約書の記載内容に従って進められ、将来、取引について紛争が生じたときも原則として契約書に基づいて解決されることになります。

契約書は非常に大切なものです
 不動産は、買うにせよ売るにせよ、契約書の内容を十分確認しておかなければなりません。契約書をよく読んで意味のわからないこと、納得のいかないことが書いてあったら、納得できるまで聞いたり調べたりしてから契約しましょう。

取引するために届出や許可が必要な場合があります
【国土利用計画法の届出】
 一定の面積以上の土地の取引が行われた場合、その土地の権利を取得した者は、契約後2週間以内に市町村長を経由して都道府県知事に土地の利用目的や対価について届け出ることが義務づけられています。届出の対象となるのは、市街化区域の場合は、2,000u以上、市街化調整区域などの場合は、5,000u以上の土地などです。
 また、これらの土地が注視区域(地価高騰のおそれのある場所等)に指定されている場合は、契約の両当事者は事前に知事に届け出なければなりません。知事は、届け出られた土地の利用目的に問題がある場合は助言や勧告することができます。
【農地転用の許可】
 これまで農地として利用されてきた土地を、宅地などに転用する目的で取引する場合には、都道府県知事の許可が必要です。許可を受けずに取引すると、土地の所有権移転等の効力は生じず、現状回復などの是正措置命令がなされるほか、刑罰が適用されることがあります。許可を受けようとする者は、市町村の農業委員会を経由して知事に農地転用許可申請書を提出しなければなりません。なお、市街化区域内にある農地を転用し、権利を移転させるためには、あらかじめ農業委員会に転用の目的等を記載した届出書を提出する必要があります。

契約時の留意点
●ハンは必ず自分で押すこと
 「ハンを貸してください」といわれて渡したところ、自分の知らない書類をつくられ、大損させられた例もあります。
●仮契約書は作らぬこと
 「仮契約だから‥‥」といわれて気軽にハンを押し、やめると言ったら後で多額の違約金を要求されたという例もあります。仮契約書の正確は不明確な場合が多いので、作らないようにしましょう。
●買付証明書、売渡承諾書の作成には注意すること
 取り消した場合、キャンセル料を請求されたという事例もあります。しかし、これらの書面は購入や売渡の可能性を表明する文章であり、確定的意思表示ではないので購入や売渡の義務までは負いません。
●口約束はトラブルのもと
 後で、「言った」、「言わない」の水かけ論になります。大切な約束事は必ず書面にしましょう。
●拇印や署名だけでも契約書は有効
 「ハンを押さないのだから心配いりませんよ」といって、業者が拇印を押すようにとか署名をするようにと求めてきたので気軽に応じてしまい、後で違約金を請求された例もあります。
●契約する時期は
 造成工事や建築工事が完了していない宅地や建物の売買は、宅地造成の許可や建築確認などがあった後でなければ、契約してはならないことになっています。この許可や確認などを受けているかどうかをよく確かめてから契約しましょう。